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旅の百三十一:「小石川後楽園 赤門修復/東京都文京区」
◆写真をクリックすると、拡大写真でご覧頂けます。
随分ご無沙汰してしまいました。
このところずっと忙しくて、半年くらい休みも取っていないの
ですが、ホームページの更新まだですか?との問い合わせもあり、楽しみにしてくれる方もいらっしゃるようなので頑張って
アップします!

今回は、昨年の10月から小石川後楽園で赤門の修復工事が行われ、3月末に無事完成いたしましたので、その工事の
概要を報告致します。
赤門は小石川後楽園の東方に位置し、東京ドームに隣接しています。構造形式は一間棟門で腕木を二重とし、一軒疎垂木、切妻造桟瓦葺の建物です。
赤門修復工事は屋根替え部分修理です。赤門本体の桟瓦の波状化や桟唐戸の歪みを直すとともに、劣化により崩落の
危険性があった袖塀の解体修理を平成26年度事業として
行う事になりました。

工事は赤門の屋根瓦の解体から始まり、桟唐戸を外し、
袖塀の屋根瓦・野地・軸部の解体を行いました。解体した
桟瓦は、一枚ずつ目視や打診で状態を確認し、選別を行って再利用できるものを保管。袖塀の解体された部材も同様に、
目視や打診などを行い、取替材や補修部分などを検討し、
補修で済む部材は繕い作業を行います。その際、赤門の
野地に一部、雨漏りによる腐れが発見され、その部分は取替えました。袖塀は土台や柱の痛みが酷く、取替え材が
発生しました。傷みが著しく止むを得ず取替える部材は、
新規材を同種材で発注を行い、旧材と同じ仕口やホゾの
加工をします。このようにして加工された部材を、旧材の色に
合わせた古色塗りを行い、いよいよ組立です。
小石川後楽園は国指定の特別史跡と特別名勝に指定されていますので、地盤面を掘削したりするのには特別な許可が
必要なため、基礎にあたる礎石には触れられません。そこで、土台や柱の水平・垂直に細心の注意を払い、袖塀の組立を
行いました。その後、木摺漆喰や桟瓦を葺き込み、土間叩きを行い、歪んでいた桟唐戸も直りましたので、取り付けて完成の運びとなりました。
約半年間の短い工期ですが、施工業者の皆さんのスムーズな作業で無事、工期内に完成する事ができました。
ありがとうございました。

小石川後楽園は、これから新緑の季節です。都会の
喧騒の中、さわやかな風が迎えてくれると思いますので、
皆様も立ち寄って頂ければ幸いです。















































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