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旅の百二十五:「小石川後楽園 九八屋解体/東京都文京区」
◆写真をクリックすると、拡大写真でご覧頂けます。
 以前、「旅の百十一」で紹介した小石川後楽園九八屋
(くはちや)修復工事の解体が終了しましたので、
今回はこれまでの工事について報告したいと思います。
 九八屋は、小石川後楽園が造られて間もない頃に建てられた茶屋(酒亭)で、「酒を注ぐに盃に満るは宜しからず、
晝は九分、夜は八分を宜しとする」との意味から『九八屋』と
命名されたようです。また、江戸時代に活躍した谷文晁も絵に描いており、長い年月の間に、改築や再建など幾多の変遷を経て来たのですが、昭和20年、太平洋戦争の東京大空襲で
焼失。その後、昭和34年に焼失前の規模で再建されたのが
現在の九八屋です。
 今回の修理は、再建後約55年が経過し、至る所に老朽化が
目立ち始めため、建築物として維持して行くのが困難になる
前に、来園者の安全性を考慮して修復工事を行う事となった
ものです。7月に工事に着手し、茅葺きの解体、漆喰壁の
解体、木部の解体と順次進み、先日、全ての解体が終了し、
一段落となりました。
 この建物の特徴は柱や桁に、栗の皮付材を使用し、
壁は腰に杉皮を張り、上部は漆喰壁、天井は一面に網代を
組んでいるところです。皮の付いた柱などが優しい雰囲気を
醸し出したお茶屋です。
 今後は、修繕部の繕いや補修を進め、今年度中の完成に
向けて、作業を進めています。年内には建て方を行いたいと
思っておりますので、また、進捗状況に応じてご報告したいと
思います。
 特にお酒好きの方には、ぜひ見ていただきたい建物です。
次回の報告をお楽しみに!



























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